他に、『ハツカネズミと人間』(スタインベック著、大浦暁生訳、新潮文庫、2016年)といった著書もあり、図書館の内容紹介には、「からだも知恵も対照的なのっぽのレニーとちびのジョージ。カリフォルニアの農場を転々として働く男たちの友情、たくましい生命力、そして苛酷な現実と悲劇を、温かいヒューマニズムの眼差しで描く」とあった。これだけでも、なんとなくスタインベックの人柄がわかる。
ここでスタインベックの言葉を取り上げたのは、個としての人間だけでなく、種としての人間(人類)としても通用する言葉であることに気づいたからだ。考えようによっては、人類はいまだに戦争をやめられず、少しも進歩していない、同じような過ちを繰り返している、と言えなくもない。しかし、冷静に現実社会を見てみると、社会は確実にし前進してきているといえよう。
何よりの証拠は、核兵器が現実に存在しているにせよ、核兵器の存在が違法になったことであろう。その法的力はまだまだ弱いにせよ、徐々に力を増してくることは間違いない。さらに言えば、内実はともかく、政府も口にせざるを得ないほど、民主主義や憲法三原則の価値が普遍性化してきたことも、大きな前進である。だからこそ、
人類は、ときには誤謬を犯しながらも、足を伸ばして、つまずきながらも前進する、
のである。
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