2020年7月9日木曜日

人類に絶滅をもたらすか、人類が戦争を放棄するか?

 「真の安全保障上の脅威とは何か」を読み直していて、「私たちは人類に絶滅をもたらすか、それとも人類が戦争を放棄するか?」という言葉に出会った。なんとも恐ろしい話だ。しかし、最近の異常気象を目の当たりにしていると、言葉の重みが真実味を帯びて迫ってくる。以下に、その部分を引用しておく。強調は私

 将来起きるかもしれない紛争の可能性のために巨大な空母や新型兵器を製造し、膨大なエネルギーを用いてそれらを維持していくような贅沢は、もはや私たちには無意味なことなのだ。その点で、日本の憲法九条は素朴な平和主義ではない。現在の国際社会の現実に即した現実的な選択肢なのである。
 ちょうど六〇年前、バートランド・ラッセル博士とアルバート・アインシュタイン博士をはじめとした指導的知識人たちが、共産主義陣営と反共産主義陣営による世界戦争へと向かう歩みを非難する宣言を作成し、これに著名するためにロンドンに集まった。この宣言の署名者の中にはノーベル賞受賞者の湯川秀樹とライナス・ポーリングも含まれていた。
 彼らは当時、アメリカとソ連を席巻していた核兵器使用についての無謀な議論、そして戦争へと向かって突き進むことが全人類の脅威であると主張することを躊躇しなかった。そして、宣言の中に技術の進歩、すなわち原子爆弾の開発が人類の歴史を変えたと記したのである。
 「ここに私たちが皆に提出する問題、きびしく、恐ろしく、おそらく、避けることのできない問題がある —— 私たちは人類に絶滅をもたらすか、それとも人類が戦争を放棄するか?
 最近の動きをみれば、それよりも危ない政治情勢にもなっている。いまこそ行動する時である。(エマニュエル・パストリッチ著「真の安全保障上の脅威とは何か」『世界』、2025年12月号、p96-97)

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