アメリカ軍の海外軍事基地はソ連、中国など共産圏をとりかこんで約二百を数えるが、日本は西ドイツ、イギリス、フランス、韓国とならんで、もっとも大きな基地の一つに数えられている。昭和三十二年、米地上軍の撤退がはじまったころには、空軍五万、海軍二万、陸軍三万余、合計十万を超える強大な兵力が駐留していた。それが原子戦体制に即応する米太平洋軍の編成替えなどで、地上戦闘部隊は全部ひきあげ、地上軍として残っているのは通信、補給業務関係の約一万となったが、いまでも空軍を主力に海陸を含めて約七万弱の兵力が残っている。なかでも、ソ中にとって脅威となるのは、機数約八百の在日空軍であり、第五空軍司令部(府中)のもとに第三十九航空師団(三沢)と第四十一航空師団(ジョンゾン)が全国各地の空軍基地に展開し、北太平洋航空資材司令部(立川)が日韓両国にある米空軍の資材供給を資材供給を担当している。
海軍関係では厚木、岩国に海兵隊基地があるほか、横須賀、佐世保が「平時最強の海軍力」を誇る米第七艦隊の根拠地とされている。第七艦隊は空母六、重巡洋艦三、駆逐艦四十をはじめ約百四十の艦艇から成り、兵員七万、原爆機をふくめて約五百の艦載機を持つとされているし、空母には核弾頭つきのミサイル「レギュラス」が装備されている。
占領終結の後もここにこのような軍事力を保持し続けているアメリカ、それに基地を提供し、自分も自衛の名で米戦略の一環をになっている日本、このような状況が日本の周辺から相手方の大兵力をひかせ得ない最大の要因になっているのだ。 (渡邊誠毅著「時代錯誤の防衛計画」『世界』、1954年11月号、岩波書店、p56 〜p57)
「機数約八百の在日空軍」には驚いたが、「原爆機をふくめて約五百の艦載機を持つとされている」には、もっと驚いた。そして、この頃から、自衛の名の下に、米戦略の一環を自衛隊がになってきたのである。核弾頭つきのミサイル「レギュラス」が装備された空母は、今も配備されているのだろうか。恐ろしい話である。
それでは、その後米軍基地はどうなったのか、「第3回 全国知事会 米軍基地負担に関する研究会・資料 」によると、なんと、基地全体の数は減ってきているのに、基地の面積は、なぜか国民が知らぬ間に増えてきている。これで、独立日本とは、なんとも恥ずかしい話だ。
」


0 件のコメント:
コメントを投稿