「奇蹟を起せ、日本人よ、真の独立心を持て」は、一数学者の病床からの叫びで、1952年12月のことである。1952年と言えば、GHQのポツダム政令の一つである「警察予備隊令」により設置(1950年8月10日)された警察予備隊が、保安隊に改組されて発展的解消(1952年10月15日)した年であった。それから70年経っても、残念ながら、真の独立には至っていない。日本人の中に、「独立心がまだまだ育っていない」ということなのだろう。
しかし、70年間「戦争を回避し」、平和を守ってこれたことは、誇っていいし、自信を持っていい。改憲の策動を阻止してきたからである。こうした先人の意思を学び、是非とも引き継いでいきたいものである。
今日日本人がどんなに苦しく不安であっても、日本人が確乎たる独立心をもって、本当に結束して平和を守るために闘うならば、どこまでも戦争を回避し、また日本の真の独立をもかちえられると私は確信する。奇蹟は起りうるのである。来るべき新年をむかえるに際して、私は「奇蹟を起せ、日本人よ、真の独立心を持て」と叫びたいのである。(一九五二・一二・一八病床にて口述)〔昭和二十八年一月一日図書新聞所載](『近代日本の数学』(小倉金之助著、新樹社、1956年、p142)
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