2020年3月8日日曜日

自分自身の観察が、健康を保つ最上の物理学である

 三木清の『人性論ノート』に、健康という項目がある。その文章の初めにある「何が自分のためになり、何が自分の害になるか、の自分自身の観察が、健康を保つ最上の物理学である」は、名言だ。自分こそが、自分にとっての「何よりも名である」ということであろう。

「何が自分のためになり、何が自分の害になるか、の自分自身の観察が、健康を保つ最上の物理学であるということには、物理学の規則を超えた知恵がある。 ―― 私はここにこのベーコンの言葉を記すのを禁ずることができない。これは極めて重要な養生訓である。しかもその根底にあるのは、健康は各自のものであるという、単純な、単純な故に敬虔なとさえいい得る真理である。
 誰も他人の身代わりに健康になることができぬ。また誰も自分の身代わりに健康になることができぬ。健康は全く銘々のものである。そしてまさにその点において平等なものである。私はそこに或る宗教的なものを感じる。全ての養生訓はそこから出立しなければならぬ」(新潮文庫、p93)。

「健康には身体の体操と共に精神の体操が必要である」(p95)という言葉もあった。

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