2、ピーター・アトキンスの『エントロピーと秩序』も必読。数式を使わずに熱とエントロピーの深遠なふるまいを解読した本。こんな言い回しが随所に現れる。「呼吸は血液中の鉄原子が錆びることから始まっている」。うーん、うまい。(p23)
3、ハイゼンベルクの『部分と全体』。これは画期的な自伝。単純な足し算では見えてこない非線形な世界がひらひらと見えてくる。(p23)
4、ダーウィンの『種の起源』は、世界を変えたベスト10のうちの一冊。一行ずつ人類に明かされていった当時の状況をを想像しながら読みたい。(p24)
5、ジェラルド・ワインバーグの『一般システム思考入門』はめったにない名著。技術的なシステム論は無数にあるが、システム論を思考の方法として見事に説いたのはこれ一冊。(p30)
6、哲学者の中でもチャールズ・パース(『パース著作集』)は絶対必読。「アメリカが生んだ唯一無二の知性」と言われるパースは、物事を考えるに当たって、「帰納」と「演繹」以外に、アブダクション(仮説形成)を設定した。最初に仮説を立て、その仮説の元で推理する方法だ。(p30)
7、ニーチェの『ツァラトゥストラかく語りき』を薦めたい。一切のヨーロッパ思想の矛盾、限界、嘘を暴いた。・・・・・思想としてのニーチェを通過しないで。世界の思想を述べるのは、そろそろやめたほうがいい。(p38)
8、大森曹玄の『山岡鉄舟』。鉄舟によって初めて、「剣」と「禅」と「書」が結ばれた。(p56)
9、ペンローズの『ピカソ』は、ピカソ伝記の定番。ピカソは他人の作品を「剽窃」すると同時に、自分の作品からも「剽窃」していたことを最初に指摘した。(p80)
10、物理なんてさっぱりわからないというなら、ハイゼンベルクの『部分と全体』に入る前に、朝永振一郎の『物理学とは何だろうか』を読むといい。この本は、朝永の絶筆。最後の箇所は、朝永が残したメモをお弟子さんが書き継いだ。それだけにどうしても言っておきたかった物理への想いが込められている。(p111)

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