ニーチェ思想は、「21世紀にいたるまで、『ツァラトゥストラ』はなおもアクチュアルなテクストとして読み継がれている」(注、p55) そうです。現代に求められている思想だからに違いありません。次に紹介するニーチェの思想の核心を知って、ますます、そう確信を深めたところです。
すなわち、「ツァラトゥストラの教えの核心」は、「多様なものの生成を永遠に肯定することであり、多様性を生成する力を歓びとともに肯定することにほかならない」のです。その過程で、「否定から肯定へ、受動性から能動性へ、虚無への意志から力への意志への価値転換が遂行される」のです。そうして”ツァラトゥストラが説く「超人」”になることができると、「人間が不可避的に抱えもつニヒリズムを完全に克服し、ひたすら肯定性に貫かれた存在にほかならない」と言えるようになるのです。
ツァラトゥストラの教えの核心をなす「永劫回帰」とはどのような思想なのか。端的に言えばそれは、否定的なもののすべてを退け、らゆるものが永遠に回帰することをみずから能動的に欲することで、万物を絶対的に肯定することである。ただし、それは<同一なもの>の悪無限的な反復ではけっしてない。ここで問題になっているのはむしろ、多様なものの生成を永遠に肯定することであり、多様性を生成する力を歓びとともに肯定することにほかならないからだ。このようにして「永劫回帰」の思想のなかで、否定から肯定へ、受動性から能動性へ、虚無への意志から力への意志への価値転換が遂行される。とは、人間が不可避的に抱えもつニヒリズムを完全に克服し、ひたすら肯定性に貫かれた存在にほかならない。(注、p55)
(注)『ドイツ文学の道しるべ ニーベルンゲンから多和田葉子まで』、畠山寛編著、ミネルヴァ書房、2021年
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