最近、いろんな言葉に力をつけて「〜力」としてしまう傾向があります。「没頭力」も、そうしてできた言葉で、古代遺跡を発掘したシュリーマンの人柄を説明するのに用いられていました。次のとおりです。
子どもの頃に抱いた夢を実現したシュリーマンは「没頭力」に優れた人でした。
現代のデジタル社会では刺激や情報量が多く、気が散りやすいため、SNSなどで新しい情報を広く浅く取り入れて長時間を過ごしてしまいがちです。深く没頭するという経験があまりないという人もいるかもしれません。
しかし逆に考えれば、今の時代はきっかけに満ちているとも言えます。自分が興味を惹かれるものや、さらに深く知りたいと思うものに出会うチャンスはたくさんあります。それをそのままにせず、自分のエネルギーを使って心惹かれることに没頭し、時間を忘れ、勉強してみる。そのことを何年、あるいは何十年にもわたって継続すれば、必ず大きなものが残るはずです。(齋藤孝「古代への情熱」『for ユース : 言葉は背中を押してくれる』、NHK出版編、日本放送協会、2024年3月、p 24〜25)
このように「没頭力」は、何かを成し遂げる原動力となるものですが、それだけではありませんでした。「すべての寂しさを消し去って」くれる力もあったのです。「好きなことに没頭できる喜び」という項目の締めくくりとして「好きなことがある。これがすべての寂しさを消し去ってくれます」(『マヤコ一〇一歳 元気な心とからだを保つコツ』、室井摩耶子著、小学館、2022年、p39)と書かれていたのです。実体験だけ説得力があります。
後期高齢者になった身のこれからは、どのような寂しさが襲ってくるかわかりません。だからこそ、日頃から「没頭力」を使うことで、やがて訪れるかも知れない寂しさに備えておきたい。
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