2024年6月3日月曜日

初年兵哀歌(檻)

 浜田知明の作品「初年兵哀歌(檻)」と、この作品に添えられて詩を知って、はじめは、軍隊を檻に例えた珍しい作品だと思いました。そのときから、誰にとっても、「軍隊は檻のようなもの」と思っていました。しかし、浜田さんだから、「軍隊が檻のようなもの」に感じ、そこから出ることができなかったのです。そう気づいたら、軍隊生活に慣れてしまった人たちは獣になってしまったということに気がつきました。
 浜田さんは、最後まで人間性を失うことがなかったから、「軍隊が檻のようなもの」に感じたのです。ゆえに、軍隊生活に慣れてしまい、真の軍人になったということは、人間性を失って獣になってしまったということになるのです。軍事訓練は、人間性を喪失させる訓練でもあったのです。

初年兵哀歌(檻)

かつて
僕は 
一兵士として 
丸五年の 生活を 
軍隊で過さねばならなかった。 
厳重に張廻らされた 
眼に見えぬ 
鉄格子の中で、 
来る日も 
来る日も 
太陽の昇らない 
毎日であった。[一九五三年]
(『浜田知明作品集 取引・軍隊・戦場』、浜田知明著、現代美術社、1982年、p83)

「『浜田知明作品集 取引・軍隊・戦場』、浜田知明著、現代美術社、1982年、p82」より)

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