川原 すごく意識しているのは、「幸せは今」ずっと研究してきて、本を書かなくちゃ書かなくちゃと、少し追われている感もあった。でも、気づいていないけど、私の人生美しいんだと思うようになって、結構忘れがちになるんじゃないですか。
上白石 そうですね。もっともっとと思っちゃいます。
川原 だから、すでに与えられている今の幸せをかみしめるように生きたい。
上白石 素敵な心がけですね。
川原 どうしても足りない、もっともっとという社会ですけど、一歩立ち止まって周りを見ると、世の中って素敵だな~。人って素敵だな~。人間ってすばらしいな~。声出せるってすごい、と感謝しかないんですよね。
上白石 まさにそういうことを伝えているわけですね。本で。
川原 それを伝えて行けたらいいなと思います。
上白石 わかりました。先生の本を読んで、なんで幸せな気持ちになったのかが。
”ここにあった”なんですね。
川原 そう、幸せはここにあるんです。
川原さんのいう「もっともっとという社会」こそ、ゲーテが「近代の悪魔的速度」と批判したことです。川原さんは、言語学の研究を通して近代から現代社会内部の病理に気づいたのです。身の回りの素晴らしさに気づかない病理に気づいたのです。幸せは「ここにある」んだ、と。
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