2024年6月29日土曜日

”日米安保信仰"から脱却を

 雑誌『文藝春秋』(1972年4月)に、「アメリカは「安保」を廃棄する」という対談記事が気になって読んでみました。全米の世論を沸騰させたテレビ討論番組を再現した記事でした。この記事を通して、1971年当時は朝日新聞が日米安保条約を、”日米安保信仰"と批判していたことを知りました。「いずれにせよ、かたくなな”日米安保信仰"から脱却することが、自主的安全保障政策追求への第一歩である」(注)と主張していたのです。
 現在の情勢は、ラヘナルが言ったように「近隣の国々を刺激して軍備競争へ、核の軍備競争へ」おいやった結果です。だからこそ、「かたくなな”日米安保信仰"から脱却することが、自主的安全保障政策追求への第一歩である」という真理に確信を持つべきです。
ショーンブルウン 時代遅れどころではありません。新しい交渉の世紀についてのいろいろな希望に害をあたえる、古い恐怖だとか不信感をうえつけています。いまこそ軍事的障壁を取払い、新しい平和で経済的な文化計画で安保条約にとって代わるときなのです。
 とにかく、よその国がセールスマンを送っているところへ、わたしたちの兵士を派遣することには、アメリカ国民はもう我慢できません。戦争で引き裂かれたアジアの人々は、平和と発展をこいねがっています。日本のあらゆる世論調査や、選挙は、少なくとも日本人の半数が、意図的ないろいろな宣伝運動にもかかわらず、いまは安保条約の廃棄に賛成していることを示しています。彼らに進むべき新しい道を提供する政府はどんな政府でも、非常な大多数の支持をかちとることができるでしょう。
 日本でもっとも大きな日刊紙の朝日新聞は今年の年頭に、すでに多数の国民が条約の解消に賛成し、新しい非軍事的な取りきめを結びたいと思っていると述べています。もし平和に対する国民の希望がさらにくじかれれば、抗議と、重大な国内的不安定が生じるかも知れません。(上同、p135〜136)

ラヘナル 日本としてはその近隣の国々を刺激して軍備競争へ、核の軍備競争へおいやることは、考えうる最悪の行為だと私は思います。(上同、p137)

ショーンブルウン ライシャワー教授の、 条約の廃棄は、日本の軍国主義化を非常に促進させるだろうという説に同意なさいますか
都留 いいえ、私はそうは思いません。私の答えは正反対になるでしょう。その質問は不適不適当なものに思います。なぜなら事実、その条約は徐々に日本を軍国主義の道を歩ませ、そして日本に産軍共同体を芽生えさせた責任があります。この条約が長く続けば続くほど、この趨勢を止めるのはますます難しくなるでしょう。(上同、p151)
 
(注)中立化を支える最大の力は、いうまでもなく、国民多数の合意とこの政策をつらぬく決意であろろ。この点についても、わが国の政治勢力の間に、徐々にではあるが、変化の兆がみえる。自民党の一部に安保条約を軍事色のない友好協力条約に衣替えさせるという考え方が芽ばえ、一時は「安保肯定」に傾斜したかにみえた昆社党内にも、再び設階的解消論が強まっている。各種の世論謝査の結果は、過半数の国民が広い意味での中立志向型であることを示しており、数年の時間的余裕をおけば、中立化の方向で国民的合意の形成が必ずしも不可能ではないと判断する。いずれにせよ、かたくなな”日米安保信仰"から脱却することが、自主的安全保障政策追求への第一歩である。(『朝日新聞』、1972年1月1日)

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