いつ頃からだったのか政府は、武器という言葉の代わりに「防衛装備品」という言葉を使うようになりました。マスコミも、無批判にその言葉を使い続けてきました。そうした傾向に違和感を抱いてきましたが、今度は、輸出という言葉の代わりに「移転」という言葉を使うようになり、これもまた、マスコミも、無批判にその言葉を使い続けています。例えば、こんな具合です。
14年には安倍晋三内閣が「武器輸出三原則」を撤廃し、「防衛装備移転三原則」を決定。(1)紛争当事国などを除く(2)輸出を認める場合を限定し厳格に審査(3)目的外使用や第三国移転に事前同意を義務づける――を満たせば、他国に武器を輸出できると定めた。(「平和国家、薄れる理念 武器不足、米が提供要請 殺傷兵器輸出解禁」『朝日新聞』、2023年12月23日)
どうでしょうか。「第三国移転に事前同意を義務づける」と書いたり、「他国に武器を輸出できる」と書いて、言葉の乱れを見せてくれています。
なぜ、違和感を抱き続けたのか、その理由がはっきりしました。「民主主義は、言葉の信頼の上に立っている」(『精神の発見』、梅原猛著、角川書店、1985年、p255)からでした。政府の行為は言葉の信頼を失わせ、民主主義の土台を揺るがす行為だったのです。だから、ずっと違和感を抱き続けたのです。
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