2023年12月20日水曜日

戦後最大の冤罪事件、松川事件

 映画『松川事件』(山本薩夫監督、宇津井健他出演、独立プロ名画特選、新日本映画社)を観ています。松川事件に関しては多くの著書があるにもかかわらず、本質的な部分が曖昧になっている印象を受けました。単刀直入にいうと、松川事件を抜きにして戦後は語れないのではないか、それほどの大事件であったにもかかわらず、あまり大きく取り上げられることはないようです。
 なぜ大事件だったか、最高裁で無罪になったから良かったものの、戦後最大(私の予想では)の冤罪事件だったからです。戦後最大でなかったにせよ、大きな冤罪事件であったことに変わりありません。10名近い人が死刑の判決を受けたのですから。(注)
 もう一つ気になったのが、誤った判決、しかも死刑の判決を下した裁判官は、無罪が確定した時点で、反省の言葉なり、何らかの発言があったのでしょうか。冤罪は、人生を狂わせるほどの罪を犯したことにならないのでしょうか。死刑の判決を下した裁判官が、無罪が確定した後の人生をどのように生きたのでしょうか。気になるところです。
 さらに付け加えるならば、やはり、松川事件後の日本共産党の国会議員の激減と、その後の退潮傾向を見逃すわけにはいきません。「共産党は怖い」という印象が広まってしまったのですから、当然です。やはり、戦後の松川事件は、戦後日本を考える上でのターニングポイントになるのではないでしょうか。こうなると、どのように語られてきたのかが気になってきました。
(注)事件は福島市松川町の旧国鉄東北線で線路のレールが何者かによって外され、通過した列車が脱線・転覆し、乗務員3人が死亡したもので、労働組合の幹部など20人が逮捕・起訴され、一審では全員が死刑を含む有罪判決を受けたが、事件から14年後、全員の無罪が確定しました。この戦後最大のえん罪事件について、昭和28年11月11日の拝謁記には、昭和天皇が「一寸(ちょっと)法務大臣ニきいたが松川事件ハアメリカがやつて共産党の所為(せい)ニしたとかいふ事だが」と明かしたうえで、「これら過失ハあるが汚物を何とかしたといふので司令官が社会党ニ謝罪ニいつてる」と明かしたと記されていました。「「国鉄三大ミステリー」松川事件に関|昭和天皇「拝謁記」 戦争への悔恨|NHK NEWS WEB・赤字強調は引用者」

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