2023年12月15日金曜日

修羅餓鬼と化す戦争

  福島県立武術館「現代版画の小宇宙:金子コレクションから」展に古沢岩美作「仙乞」(版画集『修羅餓鬼』より)が展示されていました。作品解説は次の通りです。

 『修羅餓鬼』は1960年から刊行される1993年まで制作が続けられた古沢のライフワークとなった作品です。古沢は1943年に応召し、中国大陸で戦場に立ちました。終戦後も捕虜となり、復縁したのは1946年のことでした。古沢のこの従軍体験が元になっており、「彼が加害者としての私と被害者としての私がいた」と書いたように、自己を揺るがした戦場の混乱と凄惨さが表現されています。

古沢岩美作「仙乞」

 題名の「仙乞」を調べても、このような文字はありませんでした。「蒼暮」という作品名も、そのような言葉はありませんでした。しかし、「蒼く暮れていく風景を見ながら」という言葉を見つけました。だから、蒼暮」は「蒼く暮れていく」の略で、「仙乞」も、「仙人のような乞食」あるいは「乞食のような仙人」の略ではないかと想像してしまいました。
 版画集『修羅餓鬼』を図書館で検索しても、(県内図書館、国会図書館、全国の大学図書館などの横断検索でも)ヒットせず、唯一県立図書館に『エロスと修羅餓鬼』(古沢岩美画、一枚の檜、1993年)が一冊あるだけでした。だから、この本から、蒼暮」と「犬死」を紹介します。修羅餓鬼と化す戦争の実態を強烈に告発しています。ウクライナやイスラエルの現実も似たようなものではないでしょうか。

蒼暮」

「犬死」

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