2023年11月9日木曜日

骨のある思想家正木ひろし

  日本語の修飾語に「歯に衣を着せぬ」というのがあります。この修飾語の通り、これこそ「歯に衣を着せぬ物言い」と感心したのが次の天皇批判です。

 武装を解除された日本は、将来道義一本で建って行く以外に方法は無いという。誠に然り。然る時は、先ず第一に、日本を今日の悲境に陥入れたる張本人天皇の責任の追求を完全にすることを前提とす。我等は軍閥の命令によって戦争に従事したるものに非ず。天皇の名によってこれを遂行したるのみ。その責任を不問に附して、何の正義、何の道義ぞや。

  日本は、万邦無比な国体を有することが第一の特徴であり、その故に有難い国だと教わって来た。しかし、事実に於て何が有難かったのか。天皇に所有されたる生物、牛や馬と同じ家畜に他ならない。日本の国体を有難いと言うのは、家畜主たちと、その番犬階級のみ。(正木ひろし著『近きより』第九卷第十号<一九四四年十二月号>、『日本平和論体系・12』、家永三郎編、日本図書センター、p256)

 いまだに世襲議員が国会で力を持っています。これというのも、最大の世襲である天皇の戦争責任を不問にしてしまったのも関係しているに違いありません。それに、正木氏のような骨のある政治家、知識人が少ないからでしょう。残念です。
 このような骨のある正木氏の他の著書も読んでみたいと探した本が『日本人の良心』(正木ひろし著、筑紫書房、1949年)です。そこでも、「天皇と悪魔との合体。それが日本民族の悲劇の根源である」(p 22)と言い切っていました。著作集もあるようなので、もっと彼の思想を読み込んでみたくなってきました。

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