2023年11月14日火曜日

自ら現憲法を選んでいたのです

 長い間、日本国憲法は占領軍によって押し付けられたもの、つまり「押し付け憲法」と批判されてきました。しかし、初めはそうであったとしても、いわゆる逆コースの改憲案が否決されれば、その時点で、自ら現憲法を選んだことになります。「押し付け憲法」と批判される理由も無くなってしまいます。日本の戦後史の中に、そんなことがあったのでしょうか、
 実はあったのです。最近知りました。次の通りです。

 講和発効後の五〇年代前半に保守党が提起した憲法改正案は、全面的にではないにせよ、戦後改革以前の旧天皇制的レジームへの復帰に傾斜する内容をかなり含むものであり(いわゆる逆コース)、日本の保守的支配層の旧体制的感覚を示すものであった。しかし、この種の旧体制的感覚の改憲案が世論の批判を浴びて流産したこと自体、もはや旧体制の復活が不可能であるほどに現行憲法を前提とした新体制が定着しつつあったことを示している。このとき以降、旧体制の復活の企図は、戦後体制を担う勢力の側からも、今日まで一度も出されていない。(渡辺洋三著「戦後改革と日本現代法」『戦後改革 1課題と視角』、東京大学社会科学研究所編 東京大学出版会、1974年、p121)

 どうでしょうか。現憲法が選ばれ、「旧体制の復活が不可能であるほどに現行憲法を前提とした新体制が定着しつつあったことを示して」いたのです。だからこそ、今に至っても、現憲法が健在なのでしょう。自ら選び取った現憲法を大切にしましょう。

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