ショーペンハウエルが「印度の古代哲学思想」に多くを学んでいることを知って彼に興味を抱き、彼の著書を調べました。そして、彼が幸福論を書いていることを知りました。『人生論 : 幸福について』(ショーペンハウエル著、橋本文夫訳、桜井書店、1948年)と『幸福について (哲学叢書 ; 第33巻)』(シヨーペンハウエル著、石井正・石井立共訳、創元社、1948年)の違う訳者のもの二冊があったのです。ちょっと読んでみたら、次に示したように「東洋的な空観」まで精通していたようで驚きました。
「人生論」のなかにも著者の根本的な哲学思想が躍如としている。しかし、ここには縷説(るせつ)を避け、ただ現代に生きるわれわれに切実な点だけを摘記すれば、第一はキルケゴール、ニーチェ、トーマス・マンなどに貫く孤独な超人という思想の萌芽が見られることである。衆愚と優越者との喩えがたいみぞ、哲学的に言えば生きようとする意志のみに生きる者の社会と、知性・精神に生きる者の孤独との対立である。第二は著者が古代印度の「梵は我なり」即ち仏教の「一即一切」の悟りを開いていることである。この東洋的な空観に究極の安心立命を求めようとしていることである。(「訳者序」『人生論 : 幸福について』、p3〜4)
果たして、ショーペンハウエルによって「東洋的な空観」がどのように表現されているか、興味あるところです。
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