また、「安倍政権時代から今日に至るまで、憲法改正が国民の関心事であったことは一度もない」、つまり、「国民が求めてもいない憲法改正のために時間と税金を空費するような政党(自民党・維新の会・国民民主党などの)には、公党の自覚が欠けていると言うほかはない」という主張は、もっともな話です。
そして最後の結論は、「憲法違反を平気で繰り返す政権の改態論については、有権者はひとまず拒否するのが正しい選択だろう」でした。「憲法違反を平気で繰り返す政権」は、それだけ憲法を軽視しています。そんな政権に憲法改正を語る資格はないのではないでしょうか。私はそう思います。
以上、コラム「憲法違反を繰り返す政権による改憲とは」の感想です。
新聞報道によれば、自民党の憲法改正実現本部が改正に向けた国民運動の全国展開を始動させ、その第一弾の集会が2月6日、岐阜市で開かれたとのことである。集会は非公開で、参加者は地方議員約40名。一般市民を締め出して何が国民運動かと思うが、参院選後に本格化するらしい改正の動きに向けて、地元の機運を高めるための決起集会だったのだろう。そして早くも10日には、今国会初となる衆院の憲法審査会が開かれるに至ったのだが、新年度予算案の審議中の開催など、聞いたことがない。国民生活に直結する予算案の審議以上に重要なものはないはずの通常国会で、異例の開催を要求した自民党・維新の会・国民民主党の3党は、いったい何を履き違えているのかと思う。
現に安倍政権時代から今日に至るまで、憲法改正が国民の関心事であったことは一度もないし、いまのところ予算案の審議中にあえて憲法審査会を開く理由はどこにも見当たらない。いまは何よりも、コロナ禍で低迷する賃金や増え続ける社会保障費などの将来不安に応えるべきところ、国民が求めてもいない憲法改正のために時間と税金を空費するような政党には、公党の自覚が欠けていると言うほかはない。
(中略)
それよりも安倍政権が9条を恣意的に「解釈」して集団的自衛権の行使容認を閣議決定したことのほうが重大な憲法違反であり、本来ならこれを破棄するか、それとも9条を書き換えるかの議論が行われて然るべきだが、現状では望むべくもない話である。
かくして、改憲をめぐる状況は国民にとってつねに不全感も甚だしいのだが、そもそも9条や53条の例にみられるごとく、憲法違反を平気で繰り返す政権の改態論については、有権者はひとまず拒否するのが正しい選択だろう。2022.03.06(「憲法違反を繰り返す政権による改憲とは」『銃を置け、戦争を終わらせよう 未踏の破局における思索』、高村薫著、毎日新聞出版、2023年、p110〜113)
0 件のコメント:
コメントを投稿