2023年8月9日水曜日

絵画鑑賞における画家の人生

 絵画鑑賞にとって画家の人生など対して影響はない、ただ、絵が訴えてくるものを感じられれば良い、そうした考えもあります。しかし、一枚の絵が、どのような心の状態で描かれたかを知ることも、重要なファクターであることを最近知りました。
 例えばゴッホの「花咲くアーモンドの枝」は、弟テオに子(フィンセント・ウィレム)が生まれたのを祝って制作した作品です。そのことを分かっただけでも、澄み切った青空に向かってどこまでも枝が伸びていきそうで、ゴッホの他の絵にはない魅力を感じます。それだけに、画家の人生を知ることも、絵画鑑賞の大きな要素であることを教えてくれた次の言葉には、味わい深いものがあります。

ゴッホ「花咲くアーモンドの枝」
 まだ幼いヤンネさんたちの子供世代にも生身の画家を語り継ぎたいという。
「人生と格闘したファン・ゴッホの芸術は、生きることの意味を問いかける。作品を見て、手紙を読むことで私たちは他者に対して共感の気持ちを持てるようになると思う」。ヤンネさんの言葉を聞いて、21世紀のファン・ゴッホ伝説に新風が吹く予感がした。(窪田直子著『日本経済新聞』、2023年8月6日)

 作品を通して、画家の人生や思念、感情に思いを巡らせることもまた、絵画鑑賞の大きな楽しみだ。(田村広済著『日本経済新聞』、2022年2月24日)

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