私の大切なものは、図書館の利用カードと美術館の年間パスポートです。
初めは市立図書館に通っていました。そのうちに市立図書館にない本を求め、県立図書館や大学の付属図書館からも借りるようになって、時には3つの図書館をはしごするようになってしまいました。
そんな私ですが、本などなかった農家で生まれ育ち、教科書以外に本を読むという経験がないまま社会に巣立ちました。それでも、学校の先生に勧められた「毎日でなくてもいいから、書きたいときに書く日記」を書くことだけは実践し、その過程で『人生手帳』という雑誌に出会い、その雑誌の読書サークルに参加するようになって、少しづつ読書もするようになってきたのです。
なぜか、家で本を読む時よりも図書館で読む方が集中できます。そんな環境の図書館が好きですし、書架に並んだ本を眺め回って気に入った本を見つけた時の喜びも、図書館の醍醐味の一つです。
美術館の年間パスポートは、企画展でも何度でも鑑賞できるのが魅力です。
絵には、画家の「生き生きとした生命力を宿し」ているという人もいます。そのことを若冲の展覧会(福島県立美術館)を何度も見て痛感しました。「象と鯨図屏風」を鑑賞していたら、初めはさほど魅力を感じなかったのに、二度か三度目の時、鯨が波の中に「今まさに潜っている」ような錯覚に陥り、とても七九歳の作とは思えないくらいの迫力を感じたのです。
画家には、何度も美術館に通って作品を模写しながら学んだ画家もいるようですが、鑑賞者も、何度も同じ作品を見ることで新しい気づきを得たり、記憶に定着し易かったりして、図書館通いと同じく、脳の活性化にもなるのではないかと期待しています。
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