2023年8月23日水曜日

この世の楽園「鳥獣花木図屏風」

 前のブログ「自然がなければ生きられない」で、『十七條憲法』に示されている、「山川国土草木禽獣、あらゆる動物、どんな人間」も平等であるという日本独特の宗教観のことを書きました。このような日本の宗教観を伊藤若冲が作品「鳥獣花木図屏風」に見事に描き出していました。「絵をご覧になれになれば、トラがウサギと遊び、ヒョウが小ネズミとたわむれ、そこに敵はいません。みな誰もがハッピーで、鳥は空を舞い、存在感を示して地に立ちあがり、若冲が描く特有の世界を見せてくれます。(プライス)」
 また、「この屏風に釈迦や菩薩は描かれていませんが、一つの仏画だという見方もあります。画面全体に生き物たちが生きる生命の大切さ、現生での心の平安を願う気持ちが強く感じられるからです。(若冲と江戸絵画 [1]東日本大震災復興支援)」
 このような素晴らしい絵を前にすると、「民主主義」に息を吹きこむのは私たち」で紹介した「空気のようにその価値が忘れられている『国民皆保険制度』のような宝物が、日本にたくさんあることに気づくこと。人間はかけがえのないものに出会ったとき、それを守ろうと立ち上がりたくなる生き物なのです」(堤未果著『18歳からの民主主義』、岩波新書編集部編、2016年、p128)という言葉を思い出し、「鳥獣花木図屏風」のような絵画も日本の仏教思想も”日本の宝”である、と思いました。

伊藤若冲「鳥獣花木図屏風」


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