2023年8月18日金曜日

退歩することを欲しなければ

 続いて『永遠の哲学 : 究極のリアリティ 』(オルダス・ハクスレー著、中村保男訳、平河出版社、1988 年)を読んでいて、ドキッとする言葉に出会いました。「退歩することを欲しなければ、走らなくてはならぬ。◎ベラギクス」(p487)という言葉です。
 この場合の「走らなくては」は、当然、「run」ではありません。ちょうど今エントロピーについても学んでいるので、エントロピー概念を用いて解釈すれば、ここでの「走る」は、エントロピーの減少を意味します。自然は何もしなくても時間と共にエントロピーは増大する(退歩であり、乱雑化を意味します)からです。
 それでは、エントロピーの減少するようなことって、どのようなことでしょうか。次の説明が役に立ちそうです。
 材料を集めて家を建てるとエントロピーが下がったとか、工業生産は商品を集めてエントロピーを下げる社会活動であるとか、自動車が走るとタイヤが粉になり、エントロピーが増えるとかいう場合にもあてはまる。このような日常的な大きさのエントロピーの問題は、・・・・(エントロピー入門 : 地球・情報・社会への適用』、杉本大一郎著、中央公論社、1985年、p113)
 つまり、松岡正剛さんの編集理論に従えば、「いろんな思いを組み立てて構想を練り、何らかの形にしていく」ことで、エントロピーを下げていく、絶えず、下げ続けていくことが重要なのです。
 もちろん、身の回りの整理整頓も同時並行にやり続けることです。計画的に、意識的に、ということも大切です。

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