2023年8月15日火曜日

法然さんの革命性

 法然さんの革命性に関する説明に違和感を抱いてしまいました。法然さん以前は、仏教の恩恵を受けられたのは朝廷の公卿や貴族の一部だった。それを、法然さんが「誰でも救いの恩恵を受けられるようにしてくれた」というのです。しかし、十七条憲法の時代、空海の時代とも、民衆の救いというものを本気に考えたことで知られています。ということは、どちらの場合も一代ないし二代くらいで廃れてしまったのでしょうか。
 空海の影響を受けた天皇の考えに、多くの反抗があったという話があります。ということは、革新的な、あるいは革命的な思想が現れては消え、を繰り返しながら、法然さんの時代にまた、革命的な思想が復活してきたのでしょう。
 そういえば、日本の歴史そのものが「追放と復活の繰り返しであった」といいます。(『法然の編集力』、p151に詳しく述べられています)だから、「日本は、 この事故(福島の原子力事故)を機に復活をとげていくと思います。ですから、甚大な被害はもちろん痛ましいわけだけれども、そんなに悲観する必要は無い」(上同、p152)とまで言いきっています。
 町田――奈良・平安の仏教では、救いのサークルに入れたのはほんとうに選ばれた人たち、それこそ朝廷の公卿とか貴族だけだった。それを一気に崩してしまったところに法然さんの革命性がある。男でも女でも「一〇は一〇人ながら、一〇〇人は一〇〇人ながら往生す」と言ってしまったわけですから。(『法然の編集力』、松岡正剛・町田宗鳳著、NHK出版、2011年、p157)

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