2023年8月6日日曜日

為致者の常套手段「外敵を作れ」

 今日は、広島に原爆が落とされた日で、平和記念公園で平和記念式典が開かれました。そこで挨拶に立った広島市の松井一実(かずみ)市長は、核抑止論は破綻(はたん)している」として、世界中の指導者に対して、核抑止論から脱却するよう、訴えていました。
 北朝鮮がどうの、中国がどうの、と真面目に心配している人が結構いるように、「核抑止論から脱却できないのは外敵を恐れているから」と考えられているようです。しかし、現実は違うのです。外敵は作られていたのです。しかも、そうした現実は、なんと、シェクスピアの時代から変わらず続いていたのです。シェクスピアの声を聞いて見ましょう。

 ヘンリー四世は死の床で皇太子ハリーに言います、「反抗的な勢力はもっぱら海外遠征に送り出すようにしろ。国外の戦いに従事していれば過去の記憶は薄れるものだ」(松岡訳)と。ここを訳しながら、ほとんどゾッとしたことを思い出します。
 これは、古今東西の為致者がやってきた常套手段では? 国内の不満を抑えつけるために外敵を見つけたり、作り出したりして、そこに国民の目を向けさせるという戦略。げにシェイクスピアはおそろしい。(松岡和子翻訳家、演劇評論家『赤旗日曜版』、2023年8月6日)
 シェクスピアの時代から、為政者のはかりごとを見抜けなかったことになります。だからこそ、いまだに抑止論なるものが幅を利かせ、人類の生存さえ脅かしているのです。もう気づいて欲しいものです。

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