理性よりも感情の方が脳の深いところで感じる。だから、感情の豊かさという土台の上に理性が発達すると言われている。そこまでは分かっていた。しかし、同じように感情にも序列があるという。次の言葉が示しているように、恐怖という感情がもっとも原始的で強い感情だというのである。「すべての生き物が共通して持っている感情は<愛情>ではない。<恐怖>よ。(『獣の奏者・3』、上橋菜穂子著、講談社、p85)」
以上のことは、何を意味するのだろうか。精神的な苦痛が直接体に影響するということと関係がありそうだ。つまり、脳の深いところほど生命維持と関わりが強くなる。それ故、恐怖といった古い感情ほど、体に悪い影響を与えると言える。このことから分かるのは、体のことを考えて、できだけ恐怖の感情を遠ざけることの重要性である。では、どうするか。ここで、アウシュビッツ強制収容所でのエピソードを思い出した。多くのユダヤ人が、恐怖の元で死んでいったのに、想像力を働かせて、希望を持ち続けることで生き延びた人の話である。
また、がんで余命を告知されたとき、多くの人は落胆して死期を早めることが多いと言われている。告知されることで希望を失ってしまうからである。どうも、恐怖の対極にあるものは希望のようである。ところで、創造力を必要とする希望は前頭葉とつながりが深い。このことから、「前頭葉の発達は恐怖の感情を遠ざけ、生命力を高める」ということができる。工夫して文章を書く、多くの料理を楽しむといった様々取り組みによる前頭葉の発達は生命力を高めるのである。日々、前頭葉の発達に心がけたいものである。
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