2023年7月25日火曜日

平和思想の萌芽、十七条憲法

 友人の情報から暁烏敏の存在を知った。そこで、暁烏敏の著書を調べて、『聖徳太子十七条憲法講話』に興味を抱いた。暁烏敏は、第一条の「和を以て貴しと為し、忤(さから)うこと無きを宗と為す」から、「十七条憲法」の根本精神は『日本書紀』で言及している「和魂」であろう、と述べている。
 学研漢和大字典によると「和魂」とは、魂をおだやかにする。日本民族固有の精神。荒魂(あらみたま)に対して、安らかで柔和な徳を備えた霊。(p228)これこそ、平和思想の萌芽ではないだろうか。

 第一条に「和を以て貴しと為し、忤(さから)うこと無きを宗と為す」とあるを見て、佛者は『無量寿経』の「天下和順」の言葉を思い、儒者は『論語』の「礼之用和為貴」という言葉を思い、道教を喜ぶ者は『老子』の「和光同塵」の言葉 を思い出して各々その好むところによって憲法を味わうたのであります。私は、この第一条を読んで端的に感ずるのは、『日本書紀』「 神代の巻」に天照大神の御精神を和魂と記してあることであります。十七条憲法の第一条に「和を以て貴しと為し」とあるは、天照大神の和魂のことであります。かくも明晰な言葉を古来の学者がどうして気がつかなんだのであろうかと不思議の感さへ起るのであります。
 明治の初め、日本が泰西の文運を躁急に輸入したため、いろいろの思想が入って来て、一時は思想混乱 した。(中略)実際、執れの宗教に拠るべきかという問題に逢着して、行くべき道を見失うた感があります。ここにおいてか私は「和を以て貴しと為し、忤うこと無きを宗と為す」とある大日本の宗教に気づかない人の多いのを不思議に思わざるを得ないのであります。(「十七条憲法講話」『暁烏敏全集 5巻』、p204)

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