2023年7月21日金曜日

抑止論で戦争は防げない

  ロシアによるウクライナへの侵略後、防衛費倍増も当然視されるようになってしまった。そのおかしさに気づいている人がいても、彼らの声はあまり聞こえてこない。だからこそ、時勢に異議を訴える少数者の声は大切にしたい。ということで、武田さんの言葉を紹介する。

 今回のウクライナ侵攻を受けて、日本でも「戦争反対といっても無意味だ」と嘲笑する声が聞こえたし、非核三原則の見直しや核軍縮を議論したがる為政者もいる。起こさないようにする、立ち返りもせずに。(武田砂鉄著『暮しの手帖』、2022年6-7月、p129)

 なぜ、防衛費倍増もやむなし、と当然視されるようになってしまったのだろうか。それは、ロシアのような国(中国や北朝鮮)が存在している以上、防衛費を増やし、守りをしっかりとしなければ、という理由だと思う。相も変わらない抑止論に基づく思考法である。
 しかし、抑止論で戦争は防げないということは、これまでの歴史が証明しているといえよう。この度のロシアの行動も、NATOの脅威が引き金になったという考えもあるようだが、こうした考えこそ、抑止論が戦争を防げないだけでなく、戦争の呼び水にもなり得ることを教えている。つまり、世界の大勢の行動、軍拡の行動は、かえって戦禍を招く危険性が大きいということである。だからこそ、どうすれば戦争を”起こさないようにする”ことができるかを考え、考えたことを実行していくことが求められているのである。

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