作品のことでは、戦争中の絵は黒が多く使われており、心理状態を色で持って見事に表現しているのがわかった。息子を戦場に送り出さざるを得なかった社会の暗さが反映していたと思われる。強いて一枚をあげるとすれば、サロンで入選し、国に買い上げられたという「読書する女」かもしれない。随所に省略があり、そのためか、読書している女性の後ろ姿が妙に色っぽいく感じられる。
壁にかけられた何も描かれていない額縁も印象的だ。この絵を通じて、これこそ、絵画における抽象化ではないかと思った。「読書する女」以外の対象は捨象されて描かれているからだ。

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