2023年4月13日木曜日

実篤が求めた理想の人間像

 武者小路実篤が目指した人間像の中に、人間の理想像を見出すことができた。それは、「人間はすべて自由人として勉強することができ」、「自分に与えられた個性を生かしぬく事」である。そのようにして「全ての人の個性が美しく咲き出し、実がみのれば、当然その結果として、美しい世界が生れる」(武者小路実篤著「敗戦と自分の望む世界」『世界』、岩波書店、1946年1月、p106)、という。
 また、こんなことも言っている。

 個性を生かすと言うのは、自己の天職を生かす意味である。自分に与えられた才能を生かすことでもある。つまりこの地上に個人がのこし得る最上の贈りものを贈って、死んでゆくことである。人生はそうつくられているものと僕は信じているのだ。(中略)それは事業でも、徳
行でも、学問でも、芸術でもついい、ともかく地上に生まれただけのことをしてゆく。(上同、p106-107)
 武者小路実篤のことを何度か取り上げたことがあった。こおたび、新たな発見があった。実篤の人間観である。こうした人間観が、彼の絵に滲み出ているから、彼の絵は、なんとも言えぬ味があるのかもしれない。

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