また、こんなことも言っている。
個性を生かすと言うのは、自己の天職を生かす意味である。自分に与えられた才能を生かすことでもある。つまりこの地上に個人がのこし得る最上の贈りものを贈って、死んでゆくことである。人生はそうつくられているものと僕は信じているのだ。(中略)それは事業でも、徳
行でも、学問でも、芸術でもついい、ともかく地上に生まれただけのことをしてゆく。(上同、p106-107)
武者小路実篤のことを何度か取り上げたことがあった。こおたび、新たな発見があった。実篤の人間観である。こうした人間観が、彼の絵に滲み出ているから、彼の絵は、なんとも言えぬ味があるのかもしれない。
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