早速彼の著書を探し、公開されている「通俗政治経済問答 - 国立国会図書館デジタルコレクション」の「如何にすればよい政治が行はれるか」という項目部分を読んでみた。そして、そこに現代に通じる真理が書かれていて驚いた。要点として三点にまとめると次の通り。
・帝国議会は此様に立法に参与するばかりでなくて、行政を監督する任務をも持って居る。
・政府の為す政治が国民の幸福を害するようであるならば、議会で質問するとか其他種々の権限を利用してなるべくこれを矯正するに努めることが出来る。
・議会の定めた予算に基き政府が財政を執行して居るが其結果は如何であるか、即ち決算状態がどういふ風になって居るかといふことを審査することが出来る。
ここの部分を読んで、ここ一年の国会を振り返ってみよう。国会は、行政を監督するどころか、行政による国会軽視、あるいは無視が横行している。そのためもあって、政府のなす政治を強制するなどほとんどない。決算を審査するといったことも見られない。何よりも、行政文書を作成していなかったり、改ざんしたり、と、明治時代に掲げられたことが、いまだに実行できないで、ところによっては、はるかに後退しているところもあるのではないだろうか。残念だ。
いずれにしても、立憲主義、民主主義の原則をもう一度しっかりと再確認し、そうした原則に則った政党政治の是正こそが、何よりも重要なことではないか、そう痛感させられた。
法律は憲法上天皇陛下の大権に属するものゝ、外は必ず議会の協賛を経ねばならねことになって居る。(中略)議会の議決があって後、天皇陛下が御裁可を遊ばされ、御裁可に依って初めて法律が確定するのであります。
法律が成立する為めには、御裁可を受ける前に予め議会の議決を経なければならぬのであります。これが即ち立憲国の立憲国たる所以であります。
帝国議会は此様に立法に参与するばかりでなくて、行政を監督する任務をも持って居るのであります。例へば政府の為す政治が国民の幸福を害するようであるならば、議会で質問するとか其他種々の権限を利用してなるべくこれを矯正するに努めることが出来る。又議会の定めた予算に基き政府が財政を執行して居るが其結果は如何であるか、即ち決算状態がどういふ風になって居るかといふことを審査することが出来る。従って政府が若し予算外の支出をするようなことがあったなら、後から議会の承諾を求めねばならねのであります。(『通俗政治経済問答』、武藤山治著、実業同志会、1924、p 11〜12)
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