また、同じようなことが「伝統と新取」という随筆で論じられていた。ひたすら伝統を重んじて、外国より新規なものを取り入れることを軽視しているような批判に応えたものであった。すなわち、伝統も大切だし、外国の優れたものを取り入れることも大切である、ということであった。どちらに偏ってもいけないということであろう。
そういう意味でも、外交と言ってアメリカ一辺倒では片手落ちというもので、九鬼周造なら、偏りのない、あらゆる国と対等に、全方位外交を目指すのではないだろうか。それは日本国憲法の目指す道であり、言うなれば、内包的にも外延的にも出来るだけ豊かな日本への道こそ、戦争を防ぐ道である。
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