2022年9月28日水曜日

石川啄木の戦争観

 石川啄木といえば、歌集『一握の砂』が有名だが、文明批評ともいうべき詩も書いていた。『進駐軍の命により』(辻真先著、徳間書店、2001年)に引用されていたのだ。「啄木は詩人の直感をもって、戦争の姿を指摘したのだ、と思う」(『進駐軍の命により』 p 75)と主人公の勇悟に語らせていたが、鋭い指摘に驚いた。
やがて世界の戦は来らん!
不死鳥の如き空中軍艦が空に群れて、
その下にあらゆる都府は毀たれん!
戦は永く続かん! 人々の半ばは骨となるらん!
然る後、あはれ、然る後、我らの『新しき都』は
いずこに建つべきか? 滅びたる歴史の上にか?
思考と愛の上にか? 否、否……
 詩の題名も、引用された部分で全体なのか、続きがあるのかも分からないが(後で調べたい)、石川啄木に優れた文明批評の目があったことは、確かなようである。
 それにしても、人間(為政者)はなんと愚かなことであろうか。これだけ本格的な戦争が今世紀に起きるなど、誰が予想したであろうか。為政者には、骨となる運命の人々に想いを馳せることはないのであろうか。このような詩を、世界の人々に知ってほしいものである。

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