誰も、戦争を望む人などいない、そう思ってきた。しかし、プーチン大統領のことを考えると、最近の世界情勢を見ていると、そうとばかりは言えないこともはっきりしてきた。武力を用いて殺戮しても、戦果としか考えられないような人も存在しているということである。しかし、そうした人々の存在は、ごく限られており、ほとんどの人々にとっては、戦争などない方が良い、それどころか、絶対に巻き込まれたくない、何百年と平和な世界が続いてほしいと願っているに違いない。
そう考えると、日本のとるべき道は、自ずから決まってくる。「いま日本が行うべきは、『抑止力』の強化ではなく、緊張を和らげ衝突を予防する『仲介外交』の促進」(『日米同盟・最後のリスク なぜ米軍のミサイルが日本に配備されるのか』、布施祐仁著、創元社、2022年、p 265)以外にない。日米同盟による「抑止力」を強化していけば、それだけ「アメリカの戦争に巻き込まれる」という大きなリスクを伴うことは必然だからである。
ここで「アメリカの戦争に巻き込まれる」と言われても、実感がないかもしれない。これまで米軍は、ベトナム戦争をはじめとして、イラン、イラク戦争、アフガン戦争などアクサンの戦争をしてきた。それでも、日本が巻き込まれるようなことはなかったからだ。なぜか? それは、「アメリカの過去の交戦国に、海を超えて日本を攻撃するだけの軍事力がなかったから」(上同、p265〜266)だという。納得である。やはり、日本のとるべき道は、国際紛争を未然に防ぐ「仲介外交」に限るのだ。
幸いにも、そのお手本があった。「身近に存在するASEAN(アセアン)こそが、『仲介外交』の最高のお手本」(上同、p267)だったのだ。さらには、ASEANを土台にした”東南アジア友好協力条約(TAC)”というのもあり、なんと、2003年に、中国がASEAN域外国として初めて加入していたのである。ASEANを中心にしたアジアにおける平和のネトワークを構築してほしいものである。
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