今現在、この世界は”混迷を深めている”と言っても過言ではあるまい。今このときも「戦禍に怯えてくらしているウクライナの人々」がいるにもかからず、そうした無法状態を止められないでいるからだ。
どうすればいいのか、というと”ウクライナのように攻められたらどうしよう”といった狭い観点でしか考えられていないのが現状だ。だからこそ、軍事費倍加論が平気で語られてしまうのである。しかし、今語られている世界的な危機は”戦争の問題”だけでないことは明らかだ。「南アジアのパキスタンでは、記録的な大雨で国土の約3分の1が冠水した」と、朝日新聞(2022年9月14日)の一面トップ記事で紹介されていることが、問題の深刻さを浮き彫りにしている。
こんな時だからこそ、大局的観点に立って考える必要がある。つまり、誰が言ったか忘れてしまったが、新しい哲学が求められているのであろう。そこで注目している哲学者が、『偶然性の問題』や『「いき」の構造』の著者、九鬼周造と、『完全解読 ヘーゲル「精神現象学」』の著者、竹田青嗣、西研である。それに、生命科学者の中村桂子の生命観に則った世界観も加わる。
特に二人による『精神現象学』の解読作業を通して、”われわれは「哲学」という方法原理の新しい希望と可能性を見出した”(『完全解読 ヘーゲル「精神現象学」』、p9)という点が、まさに私にとっても一つの希望なのだ。そこまで辿り着けるかどうか、が問題だが。
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