2021年1月7日木曜日

アメリカからの「独立」を考える

 日本国憲法が、その真価を発揮して光り輝くようになるためには、米国と日本との従属関係を断ち切る必要がある。日本が名実共に独立を果たして初めて、それこそ晴れて日本国憲法の実力が発揮されるであろう。だからこそ、”アメリカからの独立”を果たさなければならない。
 日本が、どれほどの屈辱的な従属関係にあるかを知ることができる三冊の、永江朗(書評家)による書評が『通販生活』(2021年春号)に掲載されていた。テーマが「アメリカからの『独立』を考える、この3冊」で、それは次の通り。
1、『日米地位協定 在日米軍と「同盟」の70年』(山本章子著、中公新書、本体840円+税)
2、『横田空域 日米合同委員会でつくられた空の壁』(吉田敏浩著、角川新書、本体840円+税)
3、『主権なき平和国家 地位協定の国際比較からみる日本の姿』(伊勢崎賢治、布施祐仁著、集英社クリエイティブ、本体1500円+税)

 以下、書評の要点を紹介するが、これだけでも、不平等条約の屈辱的な実態のあらましがわかる。今や「地位協定の加害国になりつつある」というのは知らなかった。書評を読んでから改めて横田空域に関する画像を検索し、わかりやすいものを見つけた。民間航空機がどれだけ無理をしているかが一目瞭然だった。

(「羽田新ルート は「横田空域」のせいなのか」より)

(横田基地のような進入管制区は、全国さまざまな空港・飛行場に存在している
羽田新ルート は「横田空域」のせいなのか」より)


 日本とアメリカの関係は、敗戦直後の占領時代から本質的に変わっていないのではないか。そう思う理由のひとつは日米地位協定の存在だ。ごく大雑把にいうと、米軍は日本国内の基地を自由に使えるし、米兵や米軍関係者は日本でどんな悪いことをしても日本の法律で裁かれないという、不平等で理不尽な協定である。しかも具体的な運用は協定そのものではなく、日米高官による密室会議「日米合同委員会」で秘密裏に進められることが多い。翁長雄志沖縄県知事は亡くなる前「日本国憲法の上に日米地位協定があり、国会の上に日米合同委員会がある」という言葉を遺した。
 

 戦争が終わっても他国の軍隊が駐留し続ける。この異常な事態を常態化するためにつくられたのが日米安保条約であり日米地位協定だった。

 地位協定は沖縄外にも及ぶ。もちろん東京でも。「横田空域」には米軍がいかに日本の空を自由に使っているかが書かれている。・・・横田空域は東京都の西部にある米軍横田基地を中心に東京・神奈川・埼玉・群馬のほぼ全域とその周辺の1都9県に及ぶこの空域は米軍が優先的に使用する

 国内には横田以外にも岩国空域など米軍が自由に飛行訓練を行うエリアがあり、住民は日常的に騒音や事故の危険にさらされている。地位協定はけっして他人事ではないのだ

 米軍は日本以外にも基地を置いている。だがこんなにも不平等なのは日米間のものだけだ。「主権なき平和国家」は地位協定をドイツやイタリア、韓国、フィリビンなどと比較している。どの国でも政府はアメリカとガンガンやり合って、自国民の生命と財産を守ろうとしている。日本と同じく第二次世界大戦の敗戦国であるドイツやイタリアも。なぜ日本の外務省はこんなにも後ろ向きなのかと悲しくなる。彼らの給料を払っているのは私たち日本人および日本に住む外国人なのに。

 そして「主権なき平和国家」の最も重要な点。日米地位協定によって理不尽な目に遭っている日本は、いまや地位協定の加害国になりつつあるという事実だ。自衛隊の海外派遣にともない、日本政府は派遣先国と地位協定(交換公文)を結んでいるが、これが日米地位協定と同じく不平等なものなのだ。この現実を直視しよう。(『通販生活』、2021年春号、p164、強調は引用者による)

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