2021年1月26日火曜日

安全保障条約という名の軍事条約

 論文「安全保障条約という名の軍事条約」『羽仁五郎戦後著作集』を読んだ。そこに、安保条約成立過程について、わかりやすい例え話による説明があった。

 日本国民は犯罪戦争の破滅の結果占領下に首をおさえられ、その占領が長くつづいて苦しんでいた。そこで、どうだ、苦しいか、はなしてやろうか、はなしてくれ、それなら、おれを好きだといえ、そしておれが当分おまえのところにいることをのぞむといえ、そうすればはなしてやる、といって、そういわせておいて、手をはなし、のぞみどおり当分おまえのところにいてやる、といっているのが、サンフランシスコ平和条約にむすびつけられた日米安全保障条約という軍事条約ではないか。(『羽仁五郎戦後著作集・Ⅱ』、徳間書店、 p227)

 そして最後に、日米安全保障条約の廃止こそ、日本国民の幸福がある、と結論していた。最近の安保肯定論と合わせて紹介する。軍事条約という日米安全保障条約の本質的性格を忘れてはならない。

 日米安全保障条約の改定ではなく廃止の方向にこそ、沖縄小笠原両島の問題の完全な解決ものぞみうるのである。
 日米安全保障条約の廃止、いかなる外国にも軍事基地を提供しない中立によって、日本は自立し、アメリカともソヴィエトとも中国とも最善の友好関係に入ることができるのである。ここにアジアの平和にたいする日本の責任と義務とをはたす道があり、日本国民の幸福があり、現在世界の世論もこの方向に動いているのではないか。(同上、p229)

 日米同盟は、70年近くにわたり北東アジアの平和を守ってきた両国関係の礎だが、これを深化させ、再生させる必要がある。トランプ政権下で疑念が生まれたが、米国は強靱(きょうじん)な日本での軍事的プレゼンスを維持しなければならない。軍事予算の押し下げ圧力が予想される状況で、日米は防衛費での協力や、将来の軍事品調達の統合を検討する必要がある。中国や北朝鮮に対する抑止力となるよう、支出は軍事面での研究開発などに焦点を絞るべきだ。(ブルース・ストークス著「バイデン米政権誕生 日米同盟、再生の機会に」朝日新聞、私の視点、2021年1月25日)

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