2021年1月17日日曜日

理想をかかげて妥協する

 今までの議論の中で、それは理想論だ、と言われると議論が先に進まなかった。「在日米軍の存在も、自衛隊の存在も常備軍であり違憲である。9条の完全実施で真の独立を実現しよう」、あるいは「全方位外交」とか「非武装中立」といっても、現実的に無理ではないか、と言われると、反論もできずにいたのだ。
 それでは、今は無理でも、理想として掲げることは、どうなのか、と一歩考えを進めてみた。そこで、9条や「非武装中立」は現実的でない、という立場でも、選択肢として、
  ①それでは9条を変えて仕舞えばいい、という意見
  ②それでも、理想として掲げておくことは大切、という意見
 があることに気づいた。
 そういえば、『発想法カルタ』(板倉聖宣著、仮説社)に「理想をかかげて妥協する」というのがあった。「長い間、理想を捨てずに頑張っていると、いつかはその理想を部分的にも実現できるチャンスがやってくる」(p87)というものだ。
 カントの理想論が良い例だ。これまで輝き続け、確実に、少しづつ、理想が実現してきた。何よりも、日本国憲法の理想論に至って、大分カントに近づいてきたことは明らかである。
 理想をかかげていれば、それだけでも光を放ち、現実を照らしてくれる。そうして我々に勇気を与えてくれる。「理念は永遠である。それは永劫の未来に於てのみ自己を実現すると共に、超時間的として直ちに現在に作用する」(『永遠平和のために』、高坂正顕訳、岩波文庫、1959年、訳者による解説)のだ。これこそ、”理想の力”というものである。

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