2020年6月20日土曜日

心的外傷の防波堤、日本国憲法

「父は、暇さえあれば戦争体験記を書いていた」という朝日新聞の声欄の記事を読んだ。そのお父さんが娘のお産の時に言った言葉が、「『書け』と言った。苦しいことは日記に書け。お父さんもつらいことは全部書いてきた。最近ようやく、書いてあるから大丈夫、もう覚えていなくていい、忘れてもいいと思えるようになったんだ――」(2020年6月20日朝日新聞)
だった。書くこと戦後になっても消えない苦しみを癒していたのだ。
 この例は、戦争は目に見える傷だけでなく、目に見えない心の傷をも作るということ、その心の傷は、体の傷と違って、トラウマになって長く残ることを教えている。こうした事例は、心的外傷と言われ、心理学者によって研究されてきた。戦場でなくても、体罰といった暴力によっても生じるからである。
 『体罰と戦争』(森田ゆり著、かもがわ出版)という本もあり、体罰と戦争の類似性も研究されている。体罰や戦争、軍隊がある限り、人間の尊厳はまもられない。逆に考えれば、日本国憲法を実行するということが体罰や戦争を防ぐことになる、ということである。心的外傷を知ることも、戦争の実態と知る手がかりになるし、日本国憲法がそれらの防波堤になるということを教えてくれると思う。

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