2020年6月15日月曜日

少子高齢化社会を解決する方法

 少子高齢化社会の根源は、出生率の低下にあることが、統計で明らかになっているという。だから、「育児にかかる経済的負担の軽減」策を講じれば解決する、と次のように説明があった。少子高齢化社会が既定路線のような論調が支配的だが、政策の問題であることがわかれば希望も出てくる話である。

「育児にかかる経済的負担の軽減」について、そもそもOECDのなかで最も恵まれた水準とはどの程度なのか。
 その答えは、子どものいる共働き夫婦と、いない共働き夫婦の間で、実質的な所得の差がほとんど存在しない、という水準になる。すなわち、子育てのために家計が負担するコストを、税金の控除や子ども手当のような現金給付、あるいは公教育などの行政サービスの無償化といった形で、ほぼすべて埋め合わせることを意味する
 ちなみに日本における税控除や現金給付を合わせた児童給付の水準は、先進国でも最低のレベルにある。少し古いデータではあるが、1997年時点の標準的な世帯の収入に占める標準的な世帯の収入に占める、児童給付の割合は、わずか2%ほどだ。これだけ子育て世帯に冷たい制度をとっていれば、少子化(およびそれによる高齢化率の上昇)で困るというのも当然の話である。(図表10)  (『統計学が日本を救う 少子高齢化、貧困、経済成長』、西内啓著、中公新書、p53)

 実際に、保育サービスの拡充が少子化対策として機能しうる点は、日本国内の研究からも示唆されている。
 たとえば保育所利用率(0~4歳人口あたりの保育所入所児童数割合)が高い都道府県ほど合計出生率は高い。また、保育施設数や保育所定員数の伸び率が高く、男女共同参画に関する計画のある市町村ほど、出生率の伸び率も高い。さらに、就業している女性が保育サービスを受けているかどうかで、2人以上の子どもを持つ確率が約10%も高くなる、という実態も指摘されている。
 つまり、政府が本気で少子化対策に取り組もう、というのであれば、やるべきことは既に明らかだ。有識者たちを集めて堂々巡りの「論」を戦わせるより、とにかくこの「子育て世帯向けの大幅な減税・給付」、そして「保育サービスの拡充」を図った方がはるかに筋が良い。(上同、p55~56)






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