いまのぼくと君の場合のように、互いに友人として問答をとりかわそうとするつもりなら、もっと穏やかに、もっと問答法の約束をまもって答えなければならない。そして問答法においては、ただたんにまちがっていない答をあたえるだけでなく、質問者が知っていると前もって認めるような事柄を使って答えるのが、おそらくその約束によりかなったやり方というべきだろう。だからこのぼくも、君と話すにあたって、そういうやり方に従うように心がけよう。(『プラトン全集・9』、藤沢令夫訳、岩波書店、p261)
このところを読んだ時に思い出したことがあります。『ゼロからわかる数学 数論とその応用』(戸川美郎著、朝倉書店)のことです。この本には、読み進めるために必要な予備知識が書かれていたのですが、この予備知識というものが「前もって認めるような事柄」に相当するのではないか、と思ったのです。この本は、予備知識:「1,2,3,・・・と0という数について知っていて、それらの四則演算ができる」ことを前提に記述されていたのです。
数学のような厳密性が要求されている分野だから、共通の知識を前提にした議論があって当然です。しかし、数学以外では、あまり「前もって認めるような事柄」ということを意識されないような気がします。その辺のことは、今度の課題にして、「メノン」を読み進めていくつもりです。
0 件のコメント:
コメントを投稿