2023年9月16日土曜日

短歌による社会批評の傑作・2

 俵万智短歌集『未来サイズ』(角川書店、2020年)から、心に響いて来たものを拾ってみました。「あとがき」で、日常の生活の中で「心が揺れたとき、立ちどまって味わいなおす。その時間は、とてもゆたかだ」。だから、「歌を詠むとは、日常を丁寧に生きることなのだと感じる」と書いていました。日常を丁寧に生きられたら素晴らしいな、と思いました。
 俵万智さんの短歌集には、きらりと光る社会批評も含まれているのが嬉しいです。「答弁という名の詭弁」など名言ですし、「議場騒然、聴取不能」という言葉も、文学として歌われると、生き生きとして、その有り様がイメジとして記録(記憶)されます。だから、怒りを感じながら言葉にできなかった人たちの共感を得るのではないでしょうか。
何一つ 答えず答えたふりをする 答弁という名の詭弁見つ
「議場騒然、聴取不能」と記されし 八分間の行方わからず
下校した 子らと一緒に見ておれば 大乱闘となる参議院

健康の ためなら死ねるというように 平和を守るための戦争
不条理とは 何かと問われ子に渡す 石牟礼道子「苦海浄土』を
「ただちには」 ないってことか戦争も 徴兵制と原発事故も
戦闘機 F35飛来すと ニュースは告げる鳥のごとくに

「短所」を見て 長所と思う「長所」見て 長所と思う母というもの

あたりまえの ことしか書いていないなと 憲法読めり十代の夏

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