2023年9月17日日曜日

「令和軍国主義」批判

 養老孟司さんの「令和軍国主義」批判を読みました。「政府は防衛費の増額を言いますが、何に使うつもりなのですかね。そんなことをする前に、自分たちの足もとは大丈夫なのかと考えてほしい」というのです。軍事的に攻められる危機よりも、大地震に攻められる危機の方が遥かに高いからです。その内容は次の通りです。

養老 政府は防衛費の増額を言いますが、何に使うつもりなのですかね。そんなことをする前に、自分たちの足もとは大丈夫なのかと考えてほしいと思います。
藻谷 どこかの国が攻めてくるより、大地震が攻めてくる確率の方が遥かに高い。というか前者は飛鳥時代以降は本格的なものは元寇だけで、後者はそれこそ数知れず起きています。
養老 そう。大地震が来れば日本は金で買われますよ。そのときミサイルを何発持っていても意味がないでしょう。
藻谷 海外の金で日本は買い叩かれる。それを防ぐためにどうすればいいかを考えなければいけないはずですが、目先のブームで防衛を言っていると票が集まると思うのか、そのことに夢中になっています。東日本震災の後にしばらく皆が口にしていた、「事前防災」を少しでも進めておかなくては。正確には過疎地では随分目に見えていろいろやっていますが、東京では意識自体が消えかけているような。
養老 岸田総理が防衛費の倍増を打ち出した次の日に、富士の裾野の自衛隊の東富士演習場はドカンドカンとうるさかった。祝砲を打っていたんじゃないのかなあ(笑)。
 それにしても、誰に向かって大砲を撃つつもりなのでしょうか。日本は前回の戦争でも本土で戦ったのは沖縄だけです。大砲を撃ってる人たちは、どこに向けて誰に撃つのかわかっているのか、戦車で撃つような事態になったときには、もう戦争は終わっているのではないでしょうか。
藻谷 軍事費については、アメリカから旧来型の使えない武器を買わされて、やったふりだけするということになる気もします。(『日本の進む道』、養老孟司・藻谷 浩介著、毎日新聞出版、2023年、p214〜215)

 これを書こうとしたとき、自然に「令和軍国主義」という言葉が出てきました。ロシアによるウクライナ侵略が始まってからの大幅な軍事費増の動きは、正々堂々としたという点で、つまり、今までのような”控えめ”な、あるいは”後ろめたさ”のある軍事費とは違ったという点で、昭和の軍国主義に似た「令和軍国主義」というべきです。その結果がどうなるかが心配されます。

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