2023年9月11日月曜日

短歌による社会批評の傑作

 何がきっかけだったのか、俵万智の短歌に興味を持ち、図書館で見つけた『あれから 俵万智3・11短歌集』(今人舎、2012年)を、まずは読んでみました。一部字余りが混じって読みにくい短歌はありましたが、ストレートな表現ですっかりファンになってしまいました。
 二冊目の短歌集は『オレがマリオ』(文藝春秋、2013年)でした。二冊目にも、アッと飛び込んできた短歌がありました。「棺桶の中の息子を撫でやまずすさまじきかな母というもの」(なんと豊かな方言でしょう)と、「オスプレイ空に飛び交い地上ではオスがレイプと漫談つづく」(やんわりと痛烈な社会批評の傑作)です。
 続いて、『あれから 俵万智3・11短歌集』から私が選んだ八句を紹介します。
何色にも なれる未来を願う朝 白いガーベラ君に手渡す

「震度7!」「号外出ます!」新聞社 あらがいがたく活気づくなり

「電信柱 抜けそうなほど揺れていた」震度7とはそういうことか

空腹を 訴える子と手をつなぐ 百円あれどおにぎりあらず

ありふれた 心が後ろめたくなる 花をきれいと思うことさえ

子を連れて 西へ西へと逃げてゆく 愚かな母と言うならば言え

今日だけは いつもの時間にっぽんの 昔話を子に読んでやる

沖縄の ヒーロー琉神マブヤーは 敵を倒さず「許す」と言えり  
 いずれの句も、震災にあったものとして、身につまされるものばかりです。それで、自称俵万智の弟子になったつもりで、先生の句に真似ながら、短歌を作ってみたいと思うようになりました。そうしてできた第一作は、「何色にも なれる未来を願う朝 白いガーベラ君に手渡す」を真似て、「何色にも なれる未来を奪い去る 戦禍を防ぐ第九条」と詠んでみました。

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