傲慢は断定を生み、誤った断定は命を奪う。名医などいない。謙虚な姿勢で病を知ろうとする医者。謙虚な姿勢で人を知ろうとする医者。謙虚な姿勢で自然を知ろうとする医者。謙虚さがすべてだ。医者は聡明さよりも深みを持つべきだ。深みを持て。骨に刻み、血に流れるようにせよ。(「女医の見習いチャングムに対し諭す指導教官の言葉」韓国ドラマ『チャングムの誓い』、2023年6月1日放送)
医師をめざす者に対する心構えのような言葉だが、すべての人間が生きていく上で大切な心構えでもある。つまり、専門知識だけでなく、人間一般や広く科学を知ろうとする謙虚さが必要ということである。謙虚さに欠け、傲慢になってしまうと、断定を生み、その断定が向上心を奪ってしまうからだ。
指導教官の「骨に刻み、血に流れるようにせよ」という言葉も骨身に応えた。記憶というものの重要性を語った言葉と受け止めたからだ。古代ギリシャのエピクロスも、「われわれは全般的な原則に立ち帰り、たえずこれを十分に記憶にとどめ、それによって事物にかんする最も重要な把握が得られる」(『エピクロス』、岩波文庫、1991年、p9)と記憶の重要性を語っている。苦手にしているだけに、心して身につけるべく励みたいものである。
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