「憲法9条は死んだ」という見方も出ているが、樋口さんはどう考えているのだろうか。答えは明快だった。元内閣法制局長官・阪田雅裕さんが「憲法9条は死んだ」と朝日新聞(2023年4月14日)で語ったことを知ったとき、「それはない、もし、本当に”憲法9条は死んだ”なら、憲法改正など必要ないことになるではないか」と思ったが、きちんと反論するだけの力はなかった。それだけに、樋口さんの「条文は勝手に生きたり死んだりはしない」という言葉には勇気づけられた。「そうだ、そうだ」と。そして改めて「人類の宝でもある憲法9条を死なせてなるものか!」と思った。
「条文は勝手に生きたり死んだりはしない。理念と現実の間の緊張に疲れて理念を捨てるのか、理念と現実の開きを前にしてなお理念を現実に近づけようとするのか。公共社会を作っている主体である私たち一人ひとりの意思が、ずっと問われ続けてきた」
樋口さんが問いかけたのは、憲法を機能させるのはだれかという問題だ。
「憲法とはお月様のようなものだ」と知り合いの憲法学者に聞いたことがある。月のように自分では光を発しない。しかし、光をあてれば輝く。条文を生かすのは、私たちの意思次第であるということだ。(朝日新聞夕刊、2023年5月29日「取材考記 9条の理念と現実 憲法、輝かせるのは私たち 豊秀一」)
「行動の先に希望がある。行動を続けることで未来は切り開かれる」(サルトル) 「人間は進化する存在。今の自分を超えて、創造的であり続ける『超人』を目指せ!」(ニーチェ) こうして社会に発信するというささやかな行動を通じて、一歩でも二歩でも、未来を切り開いていける存在でありたいです。
2023年6月3日土曜日
憲法9条を死なせてなるものか
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