日本の場合、戦争を知らない世代がほとんどである。だから、「戦争を知らない世代はいない」(『これから戦場に向かいます』、山本美香写真と文、ポプラ社、2016年、p6)ということに驚いた。アフガニスタンでは、戦火の中での暮らしが「もう20年以上続き、戦争を知らない世代はいない」というのである。
アフガニスタンのことは、度々報道されていたので知ってはいた。米軍が関与していたこと、その米軍が撤退したことなど、ニュースで知ってはいた。しかし、上っ面の理解で済ませて、肝心のアフガニスタンの生活については何一つ知らなかったのだ。
また、「国、宗教、民族、地域・・・/世界各地で/憎しみの炎が燃えている」(上同、p24)という。不条理という言葉がある。筋が通らないこと。道理が立たないことだが、世界各地で今も燃えているであろう憎しみの炎は、不条理ゆえの炎である。
不条理ということで「(天声人語)戦争と基地のにおい」(朝日新聞、2023年6月24日)の記事を思い出した。沖縄の嘉手納町には、「巨大な米軍基地と隣り合う暮らしを体験できるブースが設けられている。なかに入ると、子どもと母親の何げない会話が聞こえてきた。ただ、すぐに軍用機の爆音が響き、声はかき消されてしまう/驚いたのは、これとともに、ツンとした燃料臭が噴き出されてくることだ。騒音は想像していたが、戦闘機が飛び立つ下ではこんな臭気があるのかと初めて知った」という。
これらの不条理に鈍感になってはいけない。絶えず関心を持ち続け、解決の道を模索し続ける必要がある。それが戦場カメラマンの勇敢に感謝することでもある。そして、宮沢賢治の「世界全体が幸福にならなければ・・・」という一節を思い出す。絵本『これから戦場に向かいます』を読んだ感想である。
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