朝日新聞(2022年12月10日)のコラム「天声人語」で、「人類を冬眠させる」研究をしている研究者(小児科医である砂川玄志郎さん)の存在を知った。人工的に人間を冬眠させることができれば、患者の搬送や治療での「積極的な時間稼ぎ」につながるというのだ。しかし私は、研究そのものよりは、冬眠する猿もいるらしいという論文記事から浮かんだ疑問、「同じ霊長類の人間も冬眠ができないだろうか」を大切にし、それを膨らませて、「職を辞し、睡眠研究の道に転じた」という人生のドラマに興味を抱いた。
そういえば、ニュートリノ研究でノーベル賞も受賞した小柴昌俊さんが、研究の卵を持って大切に育てることの重要性を語っていた。しかし私は、大切に育てているとは、とても思えない。いくつかも卵を抱えているのは良いとしても、時々卵を温めることを忘れてしまうことが多かったのだ。だからこそ、砂川玄志郎さんの人生ドラマに感動したのかもしれない。
ちょうど今、”人権主体概念”という新しい卵を温めつつある。しかも、その卵は、前に温めてきた”日本国憲法の三原則概念”という卵の兄弟のようで、助け合うことで互いに成長していくような気がしている。今度こそ、それらの卵を、大切に、執拗に温め、育てていきたいものである。
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