2022年12月10日土曜日

森の思想が人類を救う

  梅原猛さんが「森の哲学」というものを提唱している。一言で言うと、西洋のように森を食い尽くす(上手く言えないが、大陸の砂漠化を招いた思想)思想ではなく、森の生物と人間が共生して生きていく思想のようである。この思想を、「 森の哲学はまだ生きている」という文章の中で、加藤登紀子さんが次のようにわかりやすく紹介している。

「文明は森のあるところに生まれ、森を食い尽くして滅び、また別の森を求めて旅をしてきた」
 人類の歴史とともに始まった環境破壊。四大文明の跡をことごとく草木のない砂漠に変えてきた歴史の悲劇。
 有史以来の都市文明を宿命のように引き受けてきた数千年、そしてせっせと上をコンクリートに変えてきたこの数十年、自然との対立構造は絶望的なまでに進んでしまった。
二十世紀前半、戦争と産業革命という破壊力にさらされた地球は、何とか平和を手に入れた後半紀も開発という名の破壊に打ちのめされた。どちらかといえば、後半の世紀のほうが圧倒的な破壊力だったともいえる。
 今、二十一世紀をむかえ、何とか新しい基軸を見つけたいと願う反面、後戻りはもうできないのだという投げやりな感情に苛まされていることも確かだ。
そんなゆきづまり感の中で、日本人はまだまだ森の哲学を失ってはいないというこの発見は、とても大きな希望を与えてくれる。
 国土の三分の二が森であり、そのうち四割が原生林、稲作中心の農業と海からの豊富な漁業に支えられてきたゆえに、日本は森の破壊をまぬがれた。
日本人の心にはまだまだ森が生きており、土の層が存在している!
「森の思想が人類を救う」
 二十一世紀の日本の役割をこう言い切った梅原さんの想いに、私たちはしっかりと応えていかなければいけないと強く思う。(『梅原猛著作集 17巻』月報)

 豊かな森に育まれてきた日本、「国土の三分の二が森であり、そのうち四割が原生林森」の萬の神に育まれてきた日本、だからこそ、日本の「森の思想が人類を救う」のかもしれない。大きな希望である。

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