2022年11月5日土曜日

軍隊では国民は絶対に守れない

 政府が防衛費倍増と言い出し、一部野党までもが政府に呼応する形で、防衛費増額を主張し始めてきている。まるで翼賛政治を彷彿させる内容だ。しかし、自衛隊という名の実質軍隊組織であるのだから、軍隊の本質を抜きに防衛費のみ議論するのは問題がある。
 防衛費の増額は、当然自衛隊の本質を理解し、自衛隊の強化が不可欠という認識が前提だ。つまり、軍事力を倍増することで、本当に日本を守れるのか。日本国民を守れるのか。まず、こうした議論が前提になければならない。
 沖縄戦では、日本軍に殺された沖縄県人がいた。日本軍は、国民を守るどころか、国民に銃口を向けてしまったことで知られているのだ。太平洋戦争で「私たちが確信したことは、軍隊では私たち国民は絶対に守れないという真実だった。いや、軍隊を守るために使ってはならない、といった方が妥当かもしれない。そして、戦争は死と破壊しかもたらさない、という事実がそれに加わる。戦争末期の私たちの生活は常に死を引きずっていた」(『いのちの民主主義を求めて』、内山秀夫遺稿集刊行委員会編、影書房、2015年、p451)。
 内山さんの言葉は、この度のウクライナにおける防衛戦でも実証されてきていると言って良い。おびただしい「死と破壊」がもたらされているからだ。さらには、
「これが戦争。ロシア軍が逃亡兵を射殺する督戦隊を展開か。英国防省の分析に戦慄」(朝日新聞夕刊コラム「素粒子」2022年11月5日 )である。建物は、建て直すことができても、亡くなった命は、決して戻らないのだ。だからこそ、軍隊で国や国民を守る、というのは、時代錯誤だし、間違っている。今こそ、「軍隊では国民は絶対に守れない」という真実に目を向けるべきであろう。

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