どういうことか。夫婦喧嘩は、「夫婦喧嘩は犬でも食わぬ」と言われる如く一般的なものであろう。我が家でも、時々言い争いになることがある。なぜか。と書いて初めてわかったことがある。気に入らぬものと思って風に反発してしまう。だから喧嘩になってしまう。
柳は、黙って風を受け入れてしまっている。決してはね返そうとはしない。相手の言うこと(風)が気に入らぬこともあろう。それでも、黙って受け入れて仕舞えばいいのだ。これが夫婦円満の秘訣かもしれない。難しそうだが、実験してみる価値がありそうだ。
仙厓は大上段に振りかぶった説法がしたいわけではない。むしろあらゆる人びとと苦楽を共有する立場で草木に語らせているのである。だから《堪忍柳画賛》にいう「気に入らぬ風もあろふに柳哉」は、決して長いものに巻かれろとか、我慢しましょうという意味ではない。世の中にある理不尽や、人の力ではどうすることもできない厄災なども、そのままに受け止めながらなお幸せに生きることへの願いが込められていると理解できるのである。(中山喜一朗著、『仙厓 ユーモアあふれる禅のこころ』、中山喜一朗監修、別冊太陽、日本のこころ[243]、平凡社、2016年、p66)
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| 仙厓「堪忍柳画賛」(出光美術館蔵) |

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